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Jミッションでいなげやとコラボ、人気シリーズ「偉大なおむすび」の新商品開発に挑戦。6チームが季節感あふれるアイデアを提案しました。

この記事の3つのポイント

  • POINT 1 いなげやとのコラボしたJミッション。昨年度の弁当開発に続き、今年は「偉大なおむすび」の新商品を学生が企画・試作。
  • POINT 2 春・夏・秋・冬の季節感を取り入れ、味や見た目だけでなく、原価や販売価格まで考えて商品開発。
  • POINT 3 中間発表でいなげやからのアドバイスを受け、試作を重ねて最終発表。実際の商品開発のプロセスを体験。

 1・2年生を対象に企業や自治体が提示する課題に取り組む実践型キャリアプログラム「Jミッション」が実施され、首都圏に食品スーパーを展開する株式会社いなげや(本社・東京都立川市)と連携し、同社人気シリーズ「偉大なおむすび」の新商品開発に挑戦しました。春・夏・秋・冬の季節に合ったアイデアが出そろい、学生はチームに分かれて最終プレゼン。いなげやの担当者からは食のプロとして的確な指摘が行われる一方、商品としての可能性や学生ならではの発想について高く評価しました。

昨年度は弁当。今年は、いなげやの人気商品「偉大なおむすび」を開発

 いなげやとの共同開発プロジェクトは今年度で2年目。昨年度は「女子ウケ最強弁当」をテーマに学生が5種類の弁当を開発し、その後、2026年2月から3月にかけて1カ月間、いなげやの127店舗で販売され、学生のアイデアが実際の商品となって店頭に並びました。

 学生たちに与えられた今年度のミッションは、いなげやの人気シリーズ「偉大なおむすび」の新メニュー開発です。8月7日のキックオフミーティングには24人の学生が参加し、いなげやの担当者から今回のミッションの詳しい説明がありました。

 「偉大なおむすび」は現在、約30種類を展開しており、「白米150㌘以上(お茶碗1杯強)」「どこから食べても具材が入っているように」などこだわりポイントがあります。今回のミッションでは、若い世代、特に20~30代を意識した新しいおむすびを考えることが求められ、また、春・夏・秋・冬のいずれかの季節をテーマに商品としての魅力を考えることも課題として提示されました。学生たちは、単に「食べてみたいおむすび」を考えるのではなく、実際の商品として販売することを意識し、具材や味、見た目だけでなく、原価や販売価格、調理・製造のしやすさなども追求するよう求められました。高いハードルが設定されたことで不安な気持ちになった学生たち。そんな場の雰囲気の中、最後にいなげやの担当者は「お客さまに喜んでいただける商品を一緒に開発しましょう!」とエールを送り、緊張が和らぎました。

中間発表で企業から具体的なアドバイス。試作を重ね、商品としてブラッシュアップ

 約1カ月間のプロジェクトでは、学生たちはチームごとにアイデアを出し合い、試作を重ねました。9月4日の中間発表では、6チームが開発中のおむすびをプレゼンし、いなげやの担当者からは味や見た目だけではなく、実際に商品として販売することを想定した具体的なアドバイスがありました。例えば、たこ焼きをモチーフにしたおむすびには、青のりはご飯に混ぜ込むのではなく、表面にかけるほうが風味が出るのではないかといったものや、栗を使ったおむすびには栗をどこから食べても楽しめるよう、具材の配置を工夫してはというプロ目線の具体的な案が提案されました。また、地域食材の「のらぼう菜」を使ったおむすびには、食材そのものの魅力だけでなく、なぜ、のらぼう菜を使うのかというストーリーを売り場で伝えることについても意見が出されました。学生たちはこうした意見を参考にしながら具材を変更したり、量や配置を調整したりして、9月11日の最終発表で完成した6種類のおむすびを提案しました。

⓵長女チームの「秋のごちむすび」――秋の味覚を定番のおむすびに 

 秋の味覚を、いつものおむすびで気軽に楽しんでもらおうと考えたのが「秋のごちむすび」です。いなげやでも人気の鮭に舞茸を組み合わせた炊き込みご飯のおむすび。醤油、みりん、だしと一緒に舞茸を炊き込み、焼鮭を混ぜ、白ごまで仕上げました。試作を重ねる中で、当初考えていた複数の具材を見直し、鮭と舞茸、白ごまという組み合わせに絞りました。

●いなげやからの評価・アドバイス
 「秋のごちむすび」という商品名や、秋の味覚を分かりやすく表現した点を評価。試作を重ねる中で、具材を絞り込んだことについても評価されました。

②おむすび研究所の「紅白おむすび」――一つのおむすびで二つの味 

 正月のゆったりした時間に、手軽だけれど少し特別なおむすびを楽しんでもらおうと考えた「紅白おむすび」。梅しらすの混ぜご飯と鯛めしを一つのおむすびに組み合わせ、「一つのおむすびで二つの味」を楽しめるようにしました。試作では紅白の色の違いが十分に出なかったため、梅干しからカリカリ梅へ変更。色を鮮やかにするとともに、食感にもアクセントを加えました。

●いなげやからの評価・アドバイス
 中間発表で課題となった「二つのおむすびをどう一つにするか」を、試作によって具体的に改善した点を評価。二つの味を一つの商品で楽しめる発想についても評価されました。

③オロナミンcの「まるで屋台の⁈ たこ焼きおにぎり」―夏祭りの味をおむすびに 

 「屋台といえば、やっぱりたこ焼き。これをおにぎりにできたら面白そう!」。そんな発想から生まれたのが「まるで屋台の⁈ たこ焼きおにぎり」です。たこ、紅しょうが、青のり、かつお節、天かすを使い、表面にはソースを塗って焼き目をつけることで、たこ焼きらしさを表現しました。ソースの塗り方を複数パターンで試し、時間がたった後の状態やラップへのベタつきまで検証。材料の量も見直し、原価を抑える工夫もしました。

●いなげやからの評価・アドバイス
 表面の仕上げを工夫したことで、たこ焼きらしさが増した点や、時間が経った後の状態まで検証した点を評価。「ソース味の焼きおむすびは前例がなく面白い」とのコメントもありました。

④チームトトロの「パッカーン!! 夏のスイカ割り!具だくさんヤンニョム」―食べるときまで楽しい夏のおむすび

 夏の風物詩「スイカ割り」をおむすびで表現した「パッカーン!! 夏のスイカ割り!具だくさんヤンニョム」。白飯にケチャップ、コチュジャン、キムチを加えて赤色を表現し、黒ごま、チーズ、鶏そぼろを混ぜ込みました。周囲には青のりをまぶしてスイカの皮を表現。さらに、てっぺんに切り込みを入れ、割って食べる楽しさも演出しました。店頭POPなど、売り場での見せ方まで考え、いなげやの公式キャラクター「ぴいちゃん」を手書きで描いたことも特徴です。

●いなげやからの評価・アドバイス
 見た目や彩りを改善した点に加え、手書きの「ぴいちゃん」についても、手書きならではの良さがあるとして評価されました。一方、20~30代女性をターゲットとすることから、青のりが歯につく点については検討が必要との意見もありました。

⑤おむらいすチームの「見た目もかわいい『栗』」――どこを食べても栗を楽しむ

 秋の味覚・栗を使った「見た目もかわいい『栗』」。「どこを食べても栗を楽しめるおむすびにしたい」という考えから、中間発表では1個だった栗を、最終発表では中央と四隅の計4個に変更しました。ご飯に栗を入れて成形し、調味料を塗って焼き、仕上げにいりごまをつけています。

●いなげやからの評価・アドバイス
 「どこから食べても栗が出てくる形」に改善した点を評価。栗を細かくしてご飯に混ぜ、風味を全体に行き渡らせる方法なども提案されました。

麻辣湯チームの「桜のらしゃけ」――地域の食材から生まれた春のおむすび

 春をテーマに、鮭、のらぼう菜、桜でんぶ、桜大根を組み合わせた「桜のらしゃけ」を提案しました。「子どもから大人まで楽しめて、食べることをきっかけに、知らなかった食材も知ってもらえる商品にしたい」。そんな思いから選んだのが、東京都西多摩地方などで栽培される伝統野菜「のらぼう菜」です。地域の食材を使うことで、食材の魅力を知ってもらうきっかけにしたいと考えました。試作では、鮭フレークではほかの具材の味が隠れてしまうことから鮭の塊に変更。桜でんぶは甘さが強かったため桜大根に置き換え、最後に表面へ少量の桜でんぶを散らして、春らしい色合いを残しました。

●いなげやからの評価・アドバイス
 複数パターンを試作し、家族にも試食してもらいながら改善したプロセスについて、「実際の商品開発と同じ流れ」と評価。また、のらぼう菜を使う理由をシールやPOPでさらに伝えることで、商品の魅力がより伝わるとのアドバイスがありました。

「桜のらしゃけ」を考えた4人の学生

 チームの中でも地域の食材を取り入れるだけでなく、その食材を知ってもらうことまで商品の価値として考えた麻辣湯チーム。4人は商品をどうしたらより良くできるかを話し合いながら、それぞれの意見を出し合い、「桜のらしゃけ」を形にしていきました。

五味桃菜さん(生活科学部食生活科学科2年)「将来、商品開発に携わりたいと思っていて、良いきっかけになるかなと思い今回の企画に参加しました。実際に商品が完成するまでには1年もかかるという、その大変さを知ることができてよかったです。今後の自分の進路にも役立てていきたいです」

志村知彩さん(食科学部食科学科1年)「新しいものを作っていく過程は、とても楽しかったです。でも、4人それぞれに違う意見があり、たくさんアイデアが出すぎてそれを一つにまとめるのは難しかったです。みんなで話し合いながら、少しずつ形になっていくことにおもしろさを感じました」

駒野桃菜さん(生活科学部食生活科学科2年)「今回で商品開発をするのは3回目でした。これまでの経験もありましたが、今回はグループの中で自分の意見をきちんと伝えることを意識しました。活動を通して、自分の考えを相手に伝えられるようになったことが成長だと思います」

松永あかりさん(文学部英文学科1年)「私は英文学科なので、食について専門的に学んでいるわけではありませんでした。でも、身近な地域の食材だった『のらぼう菜』を提案したことから、食への興味が広がりました。今回の経験を通して、食を通して地域と関わる仕事にも興味を持つようになりました」

「商品を作る」だけではない。プロの言葉から学んだ商品開発

 6チームの発表後、いなげやからは、短期間で試作と改善を重ねた学生たちへの講評がありました。商品開発では、試作して、うまくいかなければまた変えるという「トライアンドエラー」を繰り返すこと、原価という制約の中で目標とする販売価格に近づけていくことが重要だと説明されました。また、「自分が買いたいと思える商品を作ること」「最初に作りたいものを決めてから原価を考えること」「商品への愛情」といった商品開発に対する考え方も学生たちに伝えられました。今回の最終発表を受け、いなげやでは学生のアイデアをもとに試作を行い、販売の可否を検討する予定です。

※このページの掲載内容は、取材当時のものです