三女子大と博報堂Gravityで考える2035年の私たちの暮らし
「30歳になる2035年、どんな毎日を送っているんだろう?」。そんな問いかけから、この産学連携プロジェクトは始まりました。
ライフスタイル領域のブランドマーケティングを手がける「博報堂Gravity」と、跡見学園女子大学・大妻女子大学・実践女子大学の三女子大がチームを組み、33名の学生と若手社員9名が、約ひと月半にわたってオンラインで議論を重ね、最後に日比谷本社での発表に臨みました。
最終発表会当日、少し緊張した面持ちで集まった学生たちに、田上洋平さん(取締役副社長執行役員COO)から、「この議論には正解も不正解もない。自分がワクワクする未来を思い描き、その気持ちを熱意をもって伝えてほしい」とメッセージが送られました。聞き手にも、「YES AND」の姿勢で前向きにアイデアを受け止めてほしいと呼びかけられました。
今回は、これまでの「与えられた課題をどう解決するか」ではなく、「まだ形になっていない課題をどう見つけるか」をテーマにした初めての課題発見型プロジェクト。初回は顔合わせを兼ねて、『LIFE SHIFT』をもとに100年時代の生き方や働き方についてレクチャーを受け、冬休みには『2030年:すべてが「加速」する社会に備えよ』を章ごとに読み込みながら、2035年の社会の姿を想像していきました。
衣・食・住・職で語り合った10年後の毎日をみんなで描く時間に
学生たちは大学の枠をこえて「衣」「食」「住」「職」の4グループに分かれ、それぞれに博報堂Gravityの社員が2〜3名ずつメンターとして伴走しました。週1回の全体ミーティングに加え、ZOOMでこまめに話し合いを重ねながら、「30歳になるころ、暮らしはどう変わっているか?」をテーマに議論を深めていきます。
「衣」チームは、将来は健康と環境に配慮した素材を選びながら、AIの力で個人の体系や好みにもとづいたコーディネートの提案、服選びを効率化させながらおしゃれを楽しむ未来を創造。


「食」チームは、AI化と長寿化を前提に、健康・美・時短の3つをキーワードにサブスクリプションサービスの拡大や、フードデリバリーの効率化がすすみ、一人ひとりに合った食事の提案を考えました

「住」チームは、地方移住や都市再開発から、やりたいことが叶う住まいとは何かを整理。
現状の課題整理と成功事例から、住まいの提案をしました。

「職」チームは、さまざまな業界の変化を追いながら、AI時代だからこそ人間にしかできない働き方を探りました。
正解のない問いと向き合ったからこそ 未来を自分ごととして考えられた
発表後には、黒原康之社長からも、「環境意識や効率化、不老長寿、パーソナライズ化だけでなく、自分のテンションが上がる未来を描いてみてほしい」とのコメントがありました。しっかり調べたデータに、「自分はどんな未来をつくりたいのか」という意思を重ねること。その重要さを、学生たちは強く意識するようになりました。
プロジェクト後のアンケートには、「ゴールが見えない課題発見型は難しかったけれど、そのぶん協力し合って発表までたどりつけた」「メンターの方がフレンドリーかつ真摯にアドバイスをくれて心強かった」「10年後なんて考えたことがなかったけれど、今の行動や意識を見つめ直すきっかけになった」といった声が寄せられました。「自分の考えを言葉にする力や、周りを巻き込んで一つのものをつくる力、最後まで考え抜く力がついた」という実感も多く見られました。
COMMENT
環境デザイン学部 大川知子教授